クリント・ウッドサイド × ダン・モニク 写真展
Vineland (ヴァインランド)

2017年6月2日(金) – 6月30日(金)
– Opening Reception – 6/2(金) 19:00 – 21:00
open 水木金 12:00〜20:00|土日 12:00〜18:00
※月・火・祝日休廊
会場: voilld (東京)
voilld 住所 : 〒153-0042 東京都目黒区青葉台3-18-10 カーサ青葉台B1F

LA在住の写真家、クリント・ウッドサイドとダン・モニクによる写真展「Vineland(ヴァインランド)」を開催致します。本展は彼等にとって日本で初となる新作展となります。写真家であり、写真出版レーベル「Deadbeat Club」を運営するクリント・ウッドサイドと、写真だけでなくミュージシャン、ディレクターとしても活躍するダン・モニク。彼らは共に作品集を制作したり、呑み語らったりする仲間でありながら、10年以上もの年月を共にする盟友でもあります。

作品制作にあたり二人が目を向けたロサンゼルス郊外の寂れた街、サンフェルナンド・バレー。その中の一つの通りの名前である「Vineland(ヴァインランド)」を展示のタイトルとし、幾度となく撮影を重ねてきました。誰もが思い描くLAのイメージとは異なった、ノスタルジックで哀愁のある何気ない風景、過去の栄光の残り香が漂う悲しげな街並みなど、二人それぞれの目線から切り取られた様々な瞬間。それらは二人にとって特別で、愛おしい情景でありながら、収められた景色の一つ一つが、そこは過去なのか、思い出なのか、あるいは明るい未来なのか、作品を通して私たちに訴えかけているようにさえ感じるのです。場所と人との関係性、そして時間の流れの在り方についての問いかけに、気付かされるきっかけとなるかもしれません。

本展では、二人が撮り下ろした写真のプリント作品、約20点を発表致します。会場では、ジンやTシャツなどの限定グッズも販売致します。是非ご高覧頂ければ幸いです。皆様のご来場を、心よりお待ち申し上げております。
voilld HPより

山々に囲まれた陸の孤島、LAのサンフェルナンドバレー。そこへは驚くほど容易に辿り着けるが、とても離れがたい場所である。かつては未来と希望に満ち溢れていた土地が、今や時が止まってしまったかのよう。 他のどこよりも気温が高いのも特徴である。

矛盾と、間違ったアイデンティティに溢れた何の変哲もない場所。この国のどこよりもアメリカンドリームが蔓延り、破滅し、消滅した場所。特定の生き方を選択したが故に、偶然終わってしまったようにもみえるが、もしかしたら、ただ消え去りたかっただけなのかもしれない。さらなる発展の代償として、完全に放置されてきた場所とも言える。

Clintが今回初めてサンフェルナンドバレーについて調べている一方で、Danは10年以上もそのことに夢中になっていた。似ていながら、それぞれに独特の撮影スタイルを持つ2人は、失われた時間や廃墟、無数のストリップモールやドーナツショップ、果てしなく続く大通りなど、様々なことについて幾度も語り合いながら、この壮大で扱いにくく、矛盾した題材に取り掛かった。

この作品は、多くの人々が暮らす土地から孤立してしまった偶像だ。 壮大な試みを実現しようとしたこの場所は、いまだスモッグと厳しい太陽が猛威を振るっている。 本来の目的を見い出すことができないであろう場所、サンフェルナンドバレーについて話し合う、もはやその行為自体がエネルギーと美しさを生み出しているのだ。

イメージは決定的ではない。 私達のすぐ隣で起こっている事なのに、違う時間を歩んでいるかのように思える。そして、それらのイメージは誰一人として全く同じものを見てはいない事を捉えている。サンフェルナンドバレーの全てを伝えることは不可能だが、作品は旅の途中で送られてきた絵葉書のように、その物語を伝えてくれるだろう。

− Clint Woodside & Dan Monick

クリント・ウッドサイド Clint Woodside
ニューヨーク州 バッファロー出身の写真家。
Let Me Die In My Footsteps(2013)、Build Us A Path(2014)、Undercover Cars(2016)など、これまでに10冊以上の写真集をリリース。アメリカをはじめロンドン、スウェーデン、中国、ソウル、オーストラリアなど世界各地で作品、写真集が販売されている。 エド・テンプルトンをはじめ数多くのアーティストに支持される写真出版レーベル「Deadbeat Club」の創設者、キュレーターとしても活躍している。現在はカリフォルニア州 LA在住。
HP : www.clintwoodside.com/
instagram : @clintwoodside

ダン・モニク Dan Monick
カリフォルニア州 LA在住の写真家、ミュージシャン、ディレクター。
これまでに多くの出版物や広告、スヌープ・ドッグやケンドリック・ラマー、スクリレックスなどのポートレイト撮影を手掛ける。Showboat Gallery、Slow Culture、THIS:Los Angeles、Subliminal Projects、Soo Visual Arts Centerなど数多くのギャラリー、スペースで展示を開催。03〜06年までLAのJeff Electric Galleryにて新人アーティストに焦点を当てたキュレーターを務め、10年~11年まではTHIS: Los Angelesのメンバーとしても活動。写真集「Every Payphone On Sunset Blvd」でEd RuchaのBooks&Co展に参加し、仲間のアーティストらと「F/S Press」、さらにAtwater Villageに出版レーベル兼スタジオ「Cash Machine」を設立。2016年には3冊目となる写真集「Psychic Windows」をCash Machineからリリース。
HP : http://www.dmonick.com/
instagram : @danmonickphoto