Salt and Pepper × gallery commune present
Kovi Konowiecki “and in its place, another”
Supported by Deadbeat Club

2022年 2月25日(金) – 3月12日(土)
【定休:日/月】

会場: Salt and Pepper 3F
東京都渋谷区恵比寿西2-5-2

この度、アメリカ カリフォルニア州 ロサンゼルス在住の写真家 Kovi Konowiecki 展 “and in its place, another”を恵比寿にあるSalt and Pepper にて開催します。
元プロサッカー選手という異色の出自でありながら、近年では様々な賞に名を連ねるKoviがカリフォルニア、メキシコ、ヨーロッパ、中東で撮影した作品群に潜む類似点を深いレベルで見つめ直し、感情と直感で紡ぎ出した本展。自らの先入観に挑み、視覚的及び概念的な境界を追い求めた、どこにもない美しき世界をご堪能ください。

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“and in its place, another”は、いつもの作品より非常にカジュアルな方法で制作されました。特定の場所や人々を撮影するのではなく、幾度となく旅した中東やメキシコなどで撮影した写真と、カリフォルニアの自宅近くで撮った写真をつなぎ合わせることから始めました。構図、形、質感、主題の類似点など、自分が撮った写真の中に多くの類似点があることに気付き、これらをより深いレベルでつなぎ合わせるものがあるかどうかをずっと自問しました。その答え
はいつも「国境」というアイデアに帰着しました。しかし、「国境」には物理的概念だけでなく、抽象的、内在的な概念もあります。場所についてのアイデアを刺激する作品には、強い視覚的な繋がりがあることがわかりました。

作品を異なる地理的境界を示す章として形式的に分割するのではなく、私は感情と直感によって1つの長い意識の流れを作り出すことにしました。作品の舞台となる地域に存在する政治的現実にもかかわらず、作品に対する私のアプローチは、政治的な意味合いでの国境とはかなりかけ離れています。鑑賞者には自分がどこにいるのか、どこに向かっているのか分からないまま、場所から場所へと移動しながら、同時に「国境のない場所」に根ざしていることを感じて
もらいながら、作品を通して旅をしてもらうことが目的です。そういった意味で、作品全体には動きと移動の強い感覚が存在します。国境地帯のアイデアは、特定の場所というよりももっと大きなもので、感情、物体、感覚でもあり得るのです。それはどこでもないようでどこかのように感じる場所なのです。

しかし、場所に関するプロジェクトとして取り組んできたものの、本作 and in its place, another”は、感情と視覚的関連性についてのプロジェクトへと変化していきました。作品には写真とそれに付随する様々な自由な物語を結びつける、光と影、そして時間の絶え間ない駆け引きがあります。プロジェクト全体を通してみると、人と物体がその形と構成において互いに似通って見えてくることがよくあります。時には、特定の写真の要素が消えて、まったく異な
る図や形として再び表れたり、また、物体がわずかに形を変えたり、時間の経過とともに完全に劣化したように見えたりもするのです。これらの様々な形の反復と実験を経て、このプロジェクトは私自身の視覚的及び概念的な境界への探求、そして私の作品、実践、さらには写真との関係について私が抱いていた先入観への挑戦となったのです。

Kovi Konowiecki
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Kovi Konowiecki | コヴィ・コノヴィエツキ
1992年 カリフォルニア州 ロングビーチ生まれ。若くしてヨーロッパでプロサッカー選手としてプレーした後、写真家へ転向。ウェイクフォレスト大学でメディアコミュニケーションの学士号、ロンドン芸術大学で写真の修士号を取得。2016年、2018年、2019年にTaylor Wessing photographic portrait prizeを獲得、2020年のHariban Awardでは奨励賞、2021年にはAperture Portfolio Prizeのファイナリストに名を連ねるなど、近年目覚ましい活躍を見せている。これまでにアメリカ、ポルトガル、イギリスで展示を開催。2018年には個人的なプロジェクトや特別なアーティストのエディションを出版するためにMula Pressを設立。2021年7月にDeadbeat Clubより“and in its place, another”をリリースした。
@kovi.konowiecki